あーとん
今日は、前回の「奇想の系譜」で紹介した
曽我蕭白(そがしょうはく)にスポットを当てるの
まずはどんな内容だったか
前回を見てみましょう!
びーさん
いちばん変わった面白い絵を描いていた人だよね。
あーとん
「群仙図屏風」(ぐんせんずびょうぶ)
6曲1双 紙本著色 1764年
この絵から気になるところを、
書き出してみると・・・
・屏風に描かれている。
・所々に色がついている
・登場人物がみんなユニーク
びーさん
描かれている人が、ボクの背と同じぐらいだよ。
あと・・・屏風ってなに?
あーとん
江戸時代までの日本の絵は、壁にかけるというより
室内にある屏風や襖に描かれたものが多いんだの
屏風は、部屋の間仕切りや装飾に使われる家具です。
木枠にふすまのようなものをつなぎ合わせて、
折りたためるようになっています。
ちなみに「6曲1双」とは、
6面ある屏風がペアになったもの。
襖(ふすま)は、部屋を仕切るスライドドアのこと。
木枠に紙や木などを合わせて作られています。
家具にまで描かれた絵の面白さを
あーとんと一緒に知っていきましょう。
今日のめあて
蕭白(しょうはく)の絵を見ながら、江戸時代の絵ならではの、面白さを知ろう!
群仙図屏風の面白さ
まずは冒頭でも紹介した
「群仙図屏風」を見てみましょう。
「群仙図屏風」(ぐんせんずびょうぶ)
6曲1双 紙本著色 1764年
びーさん
白と赤のギラギラした色が、目に飛び込んでくるよね
あーとん
赤や黄色の色をつけているんだの
仙人たちを描いた絵ですが、仙人が
龍と波のりしたり、
背中に大カエル(がま)を背負ったり、
女の人に耳掃除をしてもらったり・・。
仙人に近寄っている子供達も、目のクリクリした
不思議な顔をしています。
こうして見ると、蕭白の作品は
異質な感じが際立っていますが、
文化が成熟して熟れきった江戸時代後半には、
こういう思い切った表現をした絵が
増えて来ました。
びーさん
雲龍図 襖
「雲龍図 襖」(うんりゅうず 襖)
8面のいち部分
紙本墨画、1763年
ボストン美術館(アメリカ)
びーさん
あーとん
びーさん
あーとん
想像して大げさに描くことが多かったんだの。まだまだ作品を紹介するので、見る方も負けずに、どんな世界なのかを想像しながら見てみての。
風仙図屏風
「風仙図屏風 」(ふうせんずびょうぶ)
6曲1隻 紙本墨画 18世紀後半
ボストン美術館(アメリカ)
びーさん
真ん中にいるのは仙人?
左側の渦巻きの尻尾みたいなのは、何?
あーとん
仙人が龍と戦って、ついに池から追い出した場面なんだの。
龍が天へ逃げて行っているから、大きな尻尾だけ描かれているんだの
黒一色の墨画と行っても、
数十種類の筆の使い分け、濃淡の表現、
筆の運び方(使うスピードの違い)などで
いろんな表現があります。
大きな絵でも、近寄って見ると、その違いが良くわかります。
びーさん
マンガの大きいバージョンと思えばいいのかな?
あーとん
じゃ、次も見てみようかの。
唐獅子図
「唐獅子図」(からじしず)
壁貼付 1764年ごろ 朝田寺(三重県)
びーさん
あーとん
本堂の内陣(仏様をまつる中心部)の両側に描かれた絵です。
仏様をお守りするつもりで、迫力ある獅子を描いたのでしょうか、
獅子の顔は繊細に描かれていますが、
体は筆を叩きつけて描いたような力強さがあります。
雪山童子図
「雪山童子図」(せつざんどうじず)
紙本彩色 1764年ごろ 継松寺(三重県)
びーさん
あーとん
実は赤組さんが、修行中のお釈迦様。
仏になる前=菩薩(ぼさつ)の姿で
青い服を着た鬼(これも実は元:帝釈天)に、
説法しているところです。
そう言われると、青鬼はまるで
子供が学校の先生の話を聞いている
ような表情をしていますね。
達磨図衝立
「達磨図衝立」(だるまずついたて)
1764年ごろ 紙本墨画 安養寺(三重県)
びーさん
あーとん
インドから中国へ仏教を伝えた
インド人のお坊さんなんだの
だるまは、
今の可愛らしい丸まった姿ではなく、
当時は、目が鋭く
ヒゲの生えた姿で描かれることが
ほとんどでした。
この絵は、お寺の衝立(部屋を仕切る家具)
に描かれたもので、
当時は貴重なものとされず、
黒目を子供に突かれて破られたという
エピソードまであります。
よっぽど怖かったのでしょうか。
今は補修され、ガラスケースに
大切に保管されていています。
びーさん
あーとん
比較的あちこちで見ることができるの
蕭白は、若い頃に三重県松阪市に住んでいたことがあり、
数多く作品が残っています。
詳しくは、NHK「出かけよう、日美旅」を
ご覧ください。