あーとん
2019年3月2日(土)に放送される
「美の巨人たち」(テレビ東京)では、
近世日本の画家の一人の
伊藤若冲が紹介されます。
まずはどんな内容なのか
公式サイトで確認してみましょう!
2019.3.2放送「伊藤若冲スペシャル」
伊藤若冲の新発見名画を巡りながら、知られざる人物像に迫る60分SP!現在初公開中の『梔子雄鶏図』『鶏図押絵貼屏風』、さらに『菜蟲譜』『孔雀鳳凰図』『象と鯨図屏風』など平成に入り続々発見され、いまや現代クリエーターをも魅了している若冲作品。そこから見えてきたのは、奇想の天才技巧派絵師というだけでない、奥深い若冲ワールド!モデル・タレントの市川紗椰と円山応挙が、新発見作品から奇想の画家の真の姿に迫ります。引用:美の巨人たち公式サイト
この予告から気になるキーワードを
抽出すると・・・
- 作品が平成に入って続々と発見された
- 奇想の天才技巧派絵師
- 今や現代クリエイターを魅了している
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伊藤若冲はどんな人?
伊藤若冲のプロフィール
名前:伊藤若冲
生年月日:1716年3月1日
死没:1800年10月27日(84歳)
生活拠点・時代:京都・江戸時代中期
表現実績:花鳥画など
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伊藤若冲「群鶏図」一幅 絹本着色
142.6×79.7㎝ 宝暦11(1761)〜明和2(1765)年
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伊藤若冲が生まれたのは「暴れん坊将軍」として知られる徳川吉宗の時代。(暴れん坊将軍は、あくまでもフィクションですが。)京都の商人の跡継ぎとして生まれました。今でこそ画家として有名ですが、町内でも老舗であり、リーダー的存在でもある有名な家の出身だったのです。
15歳の頃から絵を習い始め、40歳で弟に家を譲ると絵に専念するためにさっさと隠居してしまいます。
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そんな伊藤若冲の初期作品がこちらです。
伊藤若冲「雪中錦鶏図」一幅 絹本着色
142.3×79.5㎝ 宝暦11(1761)〜明和2(1765)年ごろ
宮内庁三の丸尚蔵館
伊藤若冲「糸瓜群虫図」宝暦3~4年(1753~1754年)頃
111.5×48.2cm 絹本着色 一幅 所蔵:細見美術館
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隠居生活を始めた当初、若冲はほとんど家から出ずに縁側で放し飼いにしていた鶏をひたすらスケッチしていたそうです。若冲の恐ろしいまでの写実性はこの頃の観察が絵に生きていると言えるでしょう。
伊藤若冲「旭日鳳凰図」1755年 | 一幅・絹本著色
185.5×113.8cm | 三の丸尚蔵館(宮内庁)
隠居生活はひたすら絵に没頭していたと思われがちな伊藤若冲ですが、最近の研究では、実家やそこに関わる人々が危機に貧したときには絵筆を置き、市場のために奔走したという男気溢れるエピソードもあります。
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代表作や有名な絵は?
伊藤若冲の代表作として有名なのが、一番始めにお見せした掛け軸「群鶏図(ぐんけいず)」をはじめとした全30幅のシリーズ、「動植綵絵(どうしょくさいえ)」です。
伊藤若冲「動植綵絵」30幅
江戸時代,宝暦7年(1757)頃~明和3年(1766)頃
伊藤若冲と縁の深い京都の相国寺に「釈迦三尊図」と共に寄付された掛け軸は、今でも毎年6月17日の法用の日に相国寺で一般公開されています。
伊藤若冲「釈迦三尊図」
この「釈迦三尊図(しゃかさんぞんず)」は、2016年に上野で行われた展覧会『若冲展』の目玉として展示された作品でもあります。
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代表作の「動植綵絵」の他にも世界が反転してしまったような白黒で刷られた版画作品「乗興舟(じょうきょうしゅう)」
お釈迦様が亡くなった様子である“涅槃図(ねはんず)”を野菜で例え、墨一色で描かれたユニークな品「果蔬涅槃図(かそねはんず)」
写実から一転、極限まで単純化された「鶴亀図 双幅(つるかめずそうふく)双鶴図(そうかくず)」
このように、伊藤若冲の作風は多岐に渡ります。
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新発見の名画はどんな作品?
今でこそ長蛇の列作るほどの人気を誇る伊藤若冲ですが、その人気に火がついたのはなんと2000年代に入ってから。そのため、無くなってしまったと思われていた絵が、今でもごくまれに新しく発見されています。
『孔雀鳳凰図 双幅』
『象と鯨図屏風』
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他にも若冲の初期作品の中には「動植綵絵」に良く似た作品が数点あります。この事実から、「動植綵絵」が若冲にとって思いれ深い作品であると言って間違いありません。
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どちらもよく似ていますが、それでも違いがあるのは、隠居生活を始めた頃に鶏をひたすらスケッチしていたのと同じように、新しい描き方を研究していた画家の努力の現れなのかもしれません。
そして努力を続けていたからこそ、若冲しか成しえなかった超大作も生まれたのです。
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若冲の超大作・桝目画(ますめが)とは?
若冲が産み出した技の一つを用いて描かれた作品に「桝目画(ますめが)」という種類があります。
桝目画は、紙全体に9mm間隔に方眼を作り色を塗っていく方法を用いて描かれた作品です。ヨーロッパの絵画文化で言えば、カラフルなタイルを貼ることで一つの絵を描く、モザイク画に良く似た作風です。
若冲の作品で有名なのは『樹花鳥獣図屏風(じゅかちょうじゅうずびょうぶ)・鳥獣草花屏風(ちょうじゅうそうかびょうぶ)』です。
細かい網目が見えますね。一部分をアップにするとこのようになっています。
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若冲の桝目画は、一つの方眼の中に薄い色・濃い色があり、色が2つに分かれているのが分かります。
回りを薄く塗り中を濃くする。こうすることでタイルにある凹凸を紙で再現したのです。
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8万6千個とも言われる小さな四角のマス目を、彩色豊かに表現して見せた若冲の集中力には驚かされてしまいますね。
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まとめ
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伊藤若冲のまとめ
- 江戸時代・徳川吉宗の時代の人物
- 京都の商人の名家に生まれる
- 40歳で隠居
- 動植物を描いた作品がたくさんある
- 人気になったのは2000年代に入ってから
- タイルのように見える枡目画が特徴的
枡目画の迫力は実物に敵うものはありません。機会がありましたらぜひ実物をご覧ください!