モエレ沼公園は彫刻?イサム・ノグチ最後の作品紹介と解説【美の巨人たち】

あーとん

あーとんだの。今日は「美の巨人たち」のイサム・ノグチ回について紹介するの。

 

2019年7月27日放送の
「美の巨人たち」(テレビ東京)では
イサム・ノグチが紹介されます。

あーとんと一緒に、どんな人物か
学習していきましょう。

 

まずは「新・美の巨人たち」の
公式サイトの予告をチェックしましょう!

 

伝説の彫刻家イサム・ノグチ激動の人生の果てに生まれた『モエレ沼公園』。北海道札幌郊外の大地に広がる敷地の中に、左右対称の大きな山、直線の道、直角に曲がる道…高さ52mのモエレ山はさほど高くないのに山頂の稜線に近づくとなぜか登っていく人間が蟻のように小さくなってしまう不思議な現象が。この“巨大な彫刻”はいかにして生まれたのか?イサムの生涯の傑作の全貌に迫るのは俳優・要潤さん。最後に鳥になるって一体?

引用:https://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/

 

この予告から
気になるキーワードを抜き出すと…

  • モエレ沼公園
  • “巨大な彫刻”
  • 最後に鳥になるって一体?

 

びーさん

最後に鳥になるってどういうことだろう?すごく気になるね。

あーとん

まずはプロフィールを確認してみるかの。

 



 

彫刻家イサム・ノグチはどんな人?

 

出典:https://www.roomie.jp/

生誕名:野口 勇

生年月日:1904年11月17日

死没:1988年12月30日

生活:日本→ニューヨーク

国籍:アメリカ合衆国 (日系アメリカ人)

教育:コンスタンティン・ブランクーシ

著名な実績:彫刻

 

イサム・ノグチは、日本人の詩人であり
英文学者の野口米次郎とアメリカ人で教師で
編集者のレオニー・ギルモアとの間に
ロサンゼルスで生まれました。


幼少期を日本で過ごし、アメリカ、フランスで
彫刻を学びます。1969年には日本とアメリカを
行き来しながら作品制作を行いました。


日本では、香川県の庵治町(現・高松市)牟礼町
にアトリエを構え、アメリカではニューヨーク州
のロング・アイランドシティを
制作本拠としていました。

 

あーとん

イサム・ノグチのお父さんは日本人で、お母さんがアメリカ人だの。

びーさん

彫刻家なんだよね?どんな作品を残したの?

 

ではさっそく、
イサム・ノグチの作品を見てみましょう。

 

イサム・ノグチの作品は?

 

イサム・ノグチは彫刻をはじめ舞台美術や家具、
照明器具のデザイン、陶芸、庭、
ランドスケープ・デザインまで、幅広く
制作を行いました。

その豊かな芸術性と表現力によって、
20世紀を代表する彫刻家のひとりとして
知られています。

 

『あかり(Akari) シリーズ』
(1951年-1986年/香川県立ミュージアム蔵

「光の彫刻」とも称される、
照明器具「あかり」シリーズ。

良質な和紙と紙、竹を素材とする
美濃地方の名産品である
提灯をモダンに甦らせたものです。

 

『レッド・キューブ』
(1968年/ニューヨーク)

ミューヨークの高層ビル街にある
パブリック・アートです。

 

『ブラック・スライド・マントラ』
(1992年/札幌市)

ブラック・スライド・マントラ」は、
モエレ沼公園と札幌市の中心部を結びつける
重要な役割も果たしています。

滑り台でもあるこの作品は、
遊具でもあり、子どもたちが
直に触れることができる
彫刻作品なのです。

びーさん

屋外にあって、美術館で見る彫刻とは、また違うね。見るだけじゃなく、触ってもいい作品だよね。・・・で、パブリック・アートってなに?

あーとん

パブリック・アートとは、みんなが自由に出入りできる場所に置く芸術作品のことだの。パブリック=公共の空間 ということなんだの。

びーさん

なるほどね!ところでモエレ沼公園ってイサム・ノグチの彫刻作品と何か関係あるの?

あーとん

モエレ沼公園は、イサム・ノグチが設計したものなんだの。「大地の彫刻」と呼ばれているんだの。

びーさん

そうなんだ!公園全体がイサム・ノグチの作品ってこと?さっき見た「ブラック・スライド・マントラ」みたいな遊べる彫刻がたくさんあるのかな?

ちなみにモエレ沼公園の「モエレ」は、
アイヌ語の「モイレペツ」が語源と言われています。

「モイレ」は
「静かな水面」「ゆったりと流れる」を意味しており

「ペツ」が「川」を意味するそうです。

 

びーさん

ゆったりと流れる川って意味なのかな?

あーとん

では公園について学習しようかの。

 

『モエレ沼公園』はどんな公園?

 

モエレ沼公園は
「公園全体を一つの彫刻作品とする」
という考えのもと札幌市北東部に設計されました。


「大地の彫刻」と呼ばれるイサム・ノグチの
巨大な作品です。

 

モエレ沼公園にはノグチがデザインした
遊具が126基点あり、作品に登ったり滑ったり
して遊ぶことができます。遊び場であり、
アート鑑賞の場でもあるアートパークです。

営業時間:ゲート開放時間
東入口ゲート 7時~22時(入場は21時まで、通年)
西入口ゲート 7時~19時(4月20日~11月20日)
南入口ゲート 7時~19時(4月16日~11月20日)
※スポーツ施設の予約状況により早朝開放あり

定休日:無し ※園内各施設は定休日あり

アクセス:
・札幌市中心部から、車で約30分
・地下鉄東豊線「環状通東」から、中央バス
(東69・東79)で「モエレ沼公園東口」下車、
すぐ
※上記のほか、地下鉄南北線「麻生駅」、
地下鉄東豊線「栄町駅」、大通バスセンター、
JR苗穂駅から「モエレ沼公園」行き
期間限定バスが運行。

ウェブサイト:http://moerenumapark.jp

びーさん

遊具が126個もあるの!すごいね。でも、公園全体が一つの作品なら、遊具以外にも彫刻作品はあるのかな?

あーとん

実は、この場所だから設計できた作品があるんだの。

 

公園なのに彫刻作品って?

 

モエレ沼公園は270万tの廃棄物の埋め立て地
設計されました。

 

イサム・ノグチには長年温め続けてきた
プレイグラウンドのアイデアがありました。

そのアイデアが
札幌なら実現できるかもしれないと誘いを受けた
イサム・ノグチは、1988年3月に札幌を訪れます。


札幌市から提案されたいくつかの候補地の中で、
不燃ゴミの埋め立て地として利用されていた
モエレ沼に関心を持ちます。

 

イサム・ノグチは

「人間が傷つけた土地をアートで再生する。
それは僕の仕事です。」

と言い、モエレ沼公園の
計画に参加することを希望したのです。


着々と計画は進み、8ヶ月後の11月17日、ノグチの
誕生パーティーではモエレ沼公園の2000分の1の
模型が披露されました。

 

こちらは、現在にも
遺っている、2000分の1の模型です。

 

ところがモエレ沼公園の模型を披露した
わずか一か月後、

イサム・ノグチは急病でこの世を去ります。

 

計画も中座となるかと思われた
モエレ沼公園計画ですが

模型まで作成するほど
イサム・ノグチの設計は
完成されていたので

イサム・ノグチの遺志を継いで
1982(昭和57)年に着工され、
2005(平成17)年7月に完成しました。

びーさん

え、自分の作品の完成を見られないってあんまり無いことだよね...

あーとん

それだけイサム・ノグチの計画が壮大だったってことだの。だって山まで作っちゃったんだからの。

びーさん

へー!そっか、山も人間が作れば彫刻作品ってことなんだね!

モエレ山 制作年:2001-04年 出典:https://hokkaido-labo.com/

 

不燃ゴミと公共残土で作られた
人工の山が「モエレ山」です。

この「モエレ山」は
モエレ沼公園最大の作品で、
公園全体を見渡せることができます。

また、山頂部分は、
札幌市内全体を見渡せる展望台となっています。

 

その幅はイサム・ノグチの
生誕100年にあたる完成年にちなんで2004cmです。

あーとん

幅の決め方が、なんとも粋なんだの。

びーさん

イサム・ノグチもきっと喜んでるよ!登ってみたいな!キーワードの「最後に鳥になる」ってモエレ山に登れば鳥になった気分で全体を見渡せるってことなんだね。

あーとん

そうだの。鳥のように見渡せる山なんだの!しかも、冬にはスキーやソリ遊びができるらしいんだの

びーさん

ここも遊べる作品なんだね!季節ならではのあそ遊び方が他にもあるのかな?

 

季節の楽しみ方

春 サクラの森

約2,300本のサクラが植樹されている森の中には
ノグチがデザインした遊具126基が
設置されています。子どもが思う存分遊べる、
家族連れに人気のお花見スポットです。

夏 モエレビーチ

 

珊瑚で舗装されたごく緩やかな、すり鉢状の浅い水遊び場。
夏は大勢の子供達で賑わう人気のスポットです。

開放期間:
2019年 6月15日[土曜日]-
9月4日[水曜日]10:00-16:00
木曜日定休。
開放期間は6月~9月中旬、時間は10時~16時
木曜定休

秋 モエレ沼芸術花火大会

広大なモエレ沼公園の奥行きや、起伏を生かした
立体的な3D展開が楽しめます。

※チケット制です。

 

冬のモエレ沼公園は雪遊びも楽しめます。
ガラスのピラミッド1Fにあるショップでは、
ソリ、長靴、スノーシュー、
クロスカントリースキーなどをレンタルできます。
2月には「モエレ山爆走そり大会」が
開催されるそうです。

びーさん

いつ行っても何回行っても楽しめそうだね!

あーとん

しかも入園無料だから家族連れには最高の遊び場だの。

 

イサム・ノグチは
『ブラック・スライドマントラ』について

子どもたちが何度もすべり、
そのお尻でなじむようなかたちになって、
初めて完成といえる

という言葉を残したそうです。

モエレ沼公園にも
きっとそんなノグチの思いが
込められていることでしょう。

みんなで遊びに行って
ノグチの遺作を完成させましょう!

 



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です