伊庭靖子(いばやすこ)の作風や特徴、現代美術の鑑賞方法は?

あーとん

あーとんだの。
今日は、現在も活動をしている伊庭靖子さんを紹介するの
久しぶりだね、現代美術家を紹介するの

びーさん

あーとん

今日は、現代ならではの表現方法を見ていこうの

 

今週のめあて
現代美術の作品を、楽しみ方を知ろう

 

2019年7月20日〜10月9日の間、
東京都美術館では
「伊庭靖子展 まなざしのあわい」
展示されます。

まずはどんな作品なのか
公式サイトで確認しましょう

 

画家の眼とモティーフのあわいにある世界に魅せられた伊庭靖子(1967-)は、触れたくなるようなモティーフの質感やそれがまとう光を描くことで、その景色を表現し続けてきました。自ら撮影した写真をもとに制作するスタイルは変わりませんが、近年、それまで接近していたモティーフとの距離が少しずつ広がってきました。空間や風景といったものへの関心が高まり、まわりの風景が広がることで、伊庭の絵画は新たな展開を見せています。

 

気になるキーワードを抽出すると・・

・画家の目とモティーフのあわいにある世界
・自ら撮影した写真をもとに制作するスタイル
・空間や風景といったものへの関心が高まる

 

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伊庭靖子(いばやすこ)ってどんな作家?

 

名前:伊庭 靖子(いば・やすこ)

生年月日:1968年
活動拠点:京都・東京
活動時代:昭和、平成、令和
表現実績:版画、絵画、映像

あーとん

さっそく、伊庭靖子さんの作品を紹介しようかの
あーとん、伊庭「さん」って・・まさか、知り合い?

びーさん

あーとん

違うんだの。ちょと恥ずかしいけど、現存して活動中の作家さんって、なんだか呼び捨てにしにくいんだの〜
なるほど!そういうことなんだね。

びーさん

『untitled』2018年

『untitled』2010年

『untitled』2013年

へ〜〜。おうちにあるものを超アップで描いているんだ?
写真みたいだね。なんかつるんとした感じ

びーさん

あーとん

お!びーさん、するどいの。
伊庭靖子さんは、ずっと「触感を目で想像できる絵画」を追求しているらしいんだの。
しょっかんを目で?・・・しょっかん??

びーさん

初期には、こんな作品もあります。

『untitled』1997年

untitled』1997

生クリーム?2枚目は、ふわふわのタオル!?

びーさん

あーとん

伊庭靖子さんが、スーパーリアリズムの技法で、世界を表現しようとしているのに、秘密がありそうだの

 

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伊庭靖子の作品は? スーパーリアリズムとは?

スーパーリアリズムとは、写真を使って、
対象を克明に描写する表現方法です。

えっと、じゃあ、自分の目で見たものを、そのまま描くんじゃないんだ?

びーさん

あーとん

そうだの。1960年代後半から、アメリカではじまったとされて、写真みたいに本物みたいに描く手法だの
え?じゃ、写真じゃダメなの?

びーさん

あーとん

最初は、そういう批判もあったんだの。
写真のマネだとか、絵画っぽくないとか。

スーパーリアリズムというのは
ただ本物のように描く、
というだけではありません。

写真という平面の表現で、

人間の目と違うフォーカスや
光の当たり方を見た時、
自分の目と違ったものが見えてくる

という
ひとつの手法として確立しています。

あーとん

実際、伊庭靖子さんもこんなことを言っているんだの

写真に起こすと、そこで見ているものだけを取捨選択していく、そうなってきたときに本当に見たいものが見えてくる。そういう意味で何かを介在させて自分の考えをまとめていくのは、私に合っているように思います」
(図録の言葉より)

へ〜〜。絵を描くときに、そういう考え方や方法があるんだね。
上手に自分の目でみたものを描いたり表現したりするのが、いいことって、なんか思っちゃった

びーさん

あーとん

古い作品ばかり見ていると、
そう思ってしまうかもしれないの。
だけど、いまは、映像や、光をつかった表現など
様々な表現方法がでてきているの。
表現方法に、やっぱり決まりはないんだの
そうなんだね。
・・そうだ!あとね、作品のタイトルが
「untitled」ばっかりだけど、なんでなの?

びーさん

あーとん

「untitled」は「無題」ってことだの。現代美術では、「無題」が多いんだの

タイトルの文字から作品の背景や、
物語性を想像することないように・・

鑑賞者が、見たものだけで
イメージを自由に広げられるような

わざと情報を与えないための
タイトル
ともいえるでしょう。

 

伊庭靖子さんが、対象をクローズアップして、
触感が想像できるように描くのは

彼女が表現したいものが、
“対象と鑑賞者の間にある空気のようなもの”

つまり、
鑑賞者の想像力」だからかもしれません。

 

写真をそのまま精密に写すのではなく、

「映像をモチーフに制作するということは絵画という自らの手で描く方法で、映像の光、色彩、形などを解きほぐし、映像によって絵の具の考察を深めていく」

と伊庭靖子さんが言うように、
細かな表現方法を探り、
まるで呼吸しているような作品となっています。

うーん??ちょっと難しいよ!

びーさん

あーとん

簡単に言うと、自由に想像してごらん!というのが現代美術の面白さなんだの。
伊庭靖子さんの作品を鑑賞するときは、目だけでなく、五感をフル活動して感じて見ることが大切だの

 

『untitled』2003年

 

『untitled』2005年

 

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伊庭靖子が新しい作品を発表! 作品展の情報を、いち早く紹介

美術館では10年ぶりの開催となる、今回の展覧会。
今までの作品だけでなく、初めての試みの
映像作品も紹介されます。

今までは、身近にある対象を撮影した写真を使って
作品をつくっていましたが、
今回は、東京都美術館を撮影して映像化するそうです。

今までどおり、人の目が見るものと、
描かれる対象の間〜空気、光、雰囲気など〜を
表現しようとしていることは変わりません。

会期:2019年7月20日(土)~10月9日(水)
会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C
開館時間:9:30~17:30、金曜日は9:30~20:00(いずれも入室は閉室の30分前まで)
     ※ただし、7月26日(金)、8月2日(金)、9日(金)、16日(金)、23(金)、30日(金)は9:30~21:00
休館日:月曜日、8月13日(火)、9月17日(火)、9月24日(火)
    ※ただし、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)は開室
料金:一般 800円/団体(20名以上) 600円/65歳以上 500円/大学生・専門学校生 400円 ※高校生以下無料

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