エッシャーとメスキータ(版画家)の関係やトリックアートと建築の関連は?展覧会情報も

あーとん

あーとんだの。
今日は、トリックアートで有名なエッシャーを紹介するの

2019年5月19日放送の「日曜美術館」(NHK)では、
エッシャーを紹介します。

まずは、その内容を
公式サイトで見てみると・・

永遠に流れ落ちる滝や、無限に続く階段を上る僧侶など、ミステリアスなだまし絵で有名なエッシャー。それはただのトリックアートなのか?謎多き作家の全貌に迫ります。学校では落第生。建築家になる夢も挫折。そんなエッシャーの前に現れたのは、超個性的な作品を残した版画家、メスキータ。やがてエッシャーは、唯一無二の世界を切り開いて行きます。

引用:https://www4.nhk.or.jp/nichibi/

この予告から気になるキーワードを抽出すると・・

  • ただのトリックアートではない!?
  • 学校では落第生。
  • 謎多き作家。唯一無二の世界。

びーさん

なんだか気になるワードがたくさんあるね!

あーとん

というわけで、落第生だったエッシャーが残した超個性的な作品を紹介するの

 

 

エッシャーとトリックアート

エッシャーを紹介してもらう前に・・
トリックアートってなに?
不思議な絵のこと?

びーさん

あーとん

いい質問だの。
先に絵を見てみようかの。

『相対性』1953年

なに?これ?階段を上っているのか下りているのか、わからないよ〜

びーさん

あーとん

そう!そのわからないところが、エッシャーの絵の魅力なんだの

 

『昼と夜』(1938年)

こっちは、同じ形の白い鳥と黒い鳥が背中合わせに飛んで行っているね。
よく見ると流れる河も、建物も反転しているんだ!

びーさん

この不思議な絵がトリックアートです。

難しい美術用語では
トロンプ・ルイユと呼ばれます。

あーとん

目の錯覚を利用して、平面が立体に見えたり、永遠につながっているように見えたりする絵が多いの。
建築物のモチーフが多いことでも有名だの。

『滝』1961年

この滝、永遠に流れ続けることになっているだね!不思議すぎて、見ていて飽きないね。
ところでこれは、どんな画材で描いているの?

びーさん

あーとん

いいところに目をつけたの。
エッシャーの作品は、直接紙に描いているのではなく、実はすべて版画なんだの
じゃ、すべて刷り物なの?!

びーさん

あーとん

そうだの。ただ、エッシャーの作品は色々なタイプの版画を試したり組み合わせたりしているんだの。まるで職人さんのような版画家だったんだの

『ドローイング・ハンド』1948年

エッシャーは自分のことを
美術家や画家ではなく、
版画家と名乗っていたそうです。

名前:マウリッツ・コルネス・エッシャー
生年月日:1898年6月17日
出身地:オランダ
表現方法:版画

エッシャーは、
最初は建築の学校に入り、建築家を目指しますが、
体が弱かったこともあり、成績が悪かったそうです。

そのため、建築家を諦め、
装飾芸術を学び直そうとしたときに、
版画家のメスキータと出会います。

 

 

エッシャーと版画家・メスキータの関係は?

版画家であるメスキータは、
エッシャーの装飾美術の才能を見抜き、
版画技術を教え始めた人物です。

『サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ メメント・モリ(頭蓋骨と自画像)』(1926年)/メスキータ作

名前:サミュエル・ジェスルン・デ・メスキータ
生年月日:1868年6月6日
没年:1944年2月11日(アウシュビッツ)
出身地:オランダ(アムステルダム)

 

メスキータはポルトガル系ユダヤ人の
家庭に生まれました。

父親は古典言語とヘブライ語の教師で、
兄:ジョセフ・ジェッスルン・ド・メスキータ
姉:アンナ・ジェッスルン・ド・メスキータ
のいる、末っ子でした。

小学校から絵の才能を発揮し、
兄弟も芸術センスに長けていたそうです。

 

彼はSpringerの建築事務所で
学生としてトレーニングをし

19世紀後半の建築様式の特徴である
装飾品のドローイングの精巧さに
魅了され、技術を高めました。

1893年頃から作品の制作をスタートさせ
新しいデッサンの技術を開発したことから
1902年にハールレムの応用美術学校で
教師となります。

 

新しいデッサンの技術を習得したのは
建築の装飾のドローイングを
身につけ、鍛錬したことによります。

『ワシミミズク』(1915年)/メスキータ作

びーさん

線の装飾がとてもきれい!これが建築装飾を鍛錬した成果なんだね。

1917年には
グラフィックアートの振興のために
協会の取締役となったメスキータの
もっとも有名な教え子が、

エッシャーだったのです。

 

メスキータとエッシャーの師弟関係は、
エッシャーが学校を
卒業してからも続きました

 

残念ながら、メスキータは
第2次世界大戦中に一家全員
ナチスに強制収容所へ連行され、

そこで亡くなったそうです。

 

エッシャーはエスキータの作品を
生涯大事にしていたと言われています。

自分の才能を見出してくれた
メスキータは、エッシャーにとって
いつまでたっても心の師匠だったのでしょう。

 

エッシャーと模様の出会い

1922年に、エッシャーは
アルハンブラ宮殿を訪れます。

偶像崇拝が禁止されている
イスラム教の建物は彫刻などがなく、

抽象的な模様で装飾を施しています。

 

メスキータの弟子として
建築装飾を勉強していたエッシャーは、

その規則性や幾何学文様など
無限に続くパターン化された美
魅せられます。

あーとん

エッシャーはパターン化した美を表現したかったために、生涯を通して版画家だったんじゃないかという説もあるんだの。
同じ模様が何回も出てくるから、同じ版木を使った方が美しいということなのかな?

びーさん

あーとん

エッシャーの絵をよく見て見ると謎が解けるんだの。

『メタモルフォーゼⅡ』1939-1940年の一部

この作品は、全く同じ形をした魚が
隙間なく規則的に並べられています。

エッシャーは、結晶学や数学の本を読み、
それについて独自の理論を持っていました。

独自の理論を生かしながら
規則性や循環されるものを、
美として表したのが、エッシャーの作品です。

 

特に結晶学からヒントを得た
「正則分割(せいそくぶんかつ)」
(同じ形のものが反転、回転されながら、
平面を埋めていく版画の手法)
を極めていき、

規則性を基本にしながら、
いつの間にか変容しているもの
描くことも得意としていました。

『空と水 1』1938年

晩年最後の傑作も、
円のなかの幾何学模様の連なりと
蛇の三回転対称図形をモチーフにしています。

『蛇』1969年

「永遠に巡回する美」を表現した
エッシャーの絵は、

美術愛好家だけでなく
化学者や数学者、建築家にも
愛されることも多かったのです。

 

エッシャーの展覧会の予定は?

2018年のエッシャー生誕120年を記念して、
日本では、2018年から日本各地を巡回する
「ミラクル エッシャー展」が
開催されています。

2019年5月現在では、
愛媛県美術館で実施中です。

 

愛媛県美術館

住所:愛媛県松山市堀之内
(JR松山駅より道後温泉または松山市駅行き市内電車で5分)
開催時期:2019年4月12日(金)~6月16日(日)
開館時間:9:40~18:00(入場は17:30まで)

休館日:5月20日(月)、27日(月)
6月4日(火)、10日(月)

また、エッシャーの生まれ故郷のオランダには、
エッシャー美術館(Escher in het Paleis)があります。
(ハーグ市立美術館の別館としてオープンした美術館)

エッシャー美術館
住所:Lange Voorhout 74, 2514 EH The Hague
(ハーグ中央駅からはトラム15番・16番利用。Korte Voorhout下車)
開館日:火曜日~日曜日・祝日
開館時間:午前11時~午後5時
休館日:祝日以外の月曜日、1月1日、12月25日

 

エッシャーの師匠である
メスキータは、
あまり知られていない名でもありますが

2019年6月から
東京ステーションギャラリーで
展覧会が開催されます。

 

メスキータ
Samuel Jessurun de Mesquita

会期:2019年6月29日〜8月18日
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
電話番号:03-3212-2485
開館時間:10:00〜18:00(金 〜20:00)
※入館は閉館の30分前まで

休館日:月(ただし7月15日、8月12日は開館)、7月16日

料金:一般 1100円 / 高校・大学生 900円 / 中学生以下無料

※7月20日〜31日は東京駅周辺美術館学生無料ウィーク(学生証提示で入館料無料)

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