コートールド美術館展『フォリー=ベルジェールのバー』の謎って？【美の巨人たち】

2019年10月12日（土）に放送される
「新美の巨人たち」（テレビ東京）では、
印象派の巨匠・マネの
『フォリー=ベルジェールのバー』に
深川麻衣さんが迫ります。

まずはどんな内容なのか
公式サイトで確認してみましょう！

ミュージックホールのバーメイドが描かれた『フォリー＝ベルジェールのバー』は、印象派の巨匠マネが死の前年に描いた大傑作。女性に込めたマネの願いに元乃木坂46の女優・深川麻衣さんが迫ります。この絵の特徴は背景の約7割が鏡になっていること。しかも鏡と現実が矛盾だらけなのです。この謎を解くべく女性の表情をAIで徹底分析！さらに世界的芸術家・森村泰昌さんが名画を完全再現！浮かび上がってきた秘密を解く鍵とは？

＜Art Traveler＞深川麻衣

引用：新・美の巨人たち公式サイト

この予告から気になるキーワードを
抽出すると・・・

• フォリー＝ベルジェールのバーってどんな作品？
• エドァール・マネってどんな人？
• マネの他の作品は？

「フォリー＝ベルジェールのバー」ってどんな作品？

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

「フォリー＝ベルジェールのバー」は
エデゥアール・マネが
病と戦いながら製作され
亡くなる一年前に発表された傑作です。

〈フォリー＝ベルジェール 外観〉

引用:https://ja.m.wikipedia.org/wiki

〈ロビー〉

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

〈劇場内部〉

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

〈フォリー＝ベルジェールのバー〉

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

フォリー・ベルジェールといえば
当時のパリでも
終始人々が行き交う
にぎやかな音楽劇場でした。
その証拠のように
絵に描かれた女性の
背後の鏡に映った風景が
多くの人々で
にぎわっているのがわかります。

〈背景の人々〉

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

この絵の背景が鏡だとしたら
少し不思議なところがあるのに
皆さんお気づきでしょうか？

表情を無くしたような
女性の後ろ姿が写る鏡には…

〈背景アップ〉

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

鏡に写る男性は
どこにいるのか。
これは「フォリー＝ベルジェールのバー」
という作品を解説する上で
多くの人が様々な説を唱えて来ました。

実は2000年に
劇場の修復に伴い
「フォリー＝ベルジェールのバー」に
描かれた構図の再現が行われています。

〈フォリー＝ベルジェールのバー 再現〉

引用：https://www.artpedia.asia

鏡に写っている男性が
どこにいるのか、
この再現されたイラストを見ると
絵を観る私たちの
左側に立っている事になります。

ドァール・マネってどんな人？他の作品は？

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

名前:エドァール・マネ
生年月日:1832年1月23日
出身地:フランス
死没:1883年4月30日(51歳)
活動拠点:パリ・スペイン
表現実績:絵画・版画
ムーブメント:印象派・写実主義

エドァール・マネは
1832年パリの裕福な家庭に
生まれました。

官僚であった
父の跡を継ぐように
希望されますが、芸術家を志し
1849年に
トマ・チュクールに弟子入りします。

〈トマ・チュクール〉

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

〈トマ・チュクール 退廃期のローマ人たち〉

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

トマ・チュクールに学びながら
ルーヴル美術館に通い続け
様々な作品を模写し
1861年に
「スペインの歌手」で
展覧会で初入選を果たします。

〈スペインの歌手〉

引用：https://en.m.wikipedia.org/wiki

初入選した二年後の
1863年、マネは大問題となる
「草上の昼食(そうじょうのちゅうしょく)」を
出品します。

〈草上の昼食(そうじょうのちゅうしょく)〉

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

マネの作品が発表された当時
女性の裸が描かれるのは
神話の中に登場する女神や
歴史上の出来事に限られていました。

〈アレクサンドル・カバネル ビーナスの誕生〉

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

この作品を出品したことで
マネは
「革命児」「美への反逆者」
といった批評を受けます。

けれどもマネ自身としては

古典的な技法を
しっかり学びつつも
自分の目に見えているものを
描かなければならない

と言う考えのもと
歴史や神話ではなく
身近にある日常的な題材を元に
作品を描いただけであり
世間での批判的な声には
非常に傷付いたようです。

〈「草上の昼食」と同時期に描かれた作品「オランピア」〉

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

〈キアサージ号とアラバマ号の海戦 入選作〉

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

〈笛を吹く少年 落選作〉

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

〈バルコニー 入選作〉

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

その後は時代の流れも変わり
マネの絵はようやく
好意的な評価を得ますが
病気が元で
51歳の若さで
亡くなってしまいます。

〈すみれの花束をつけたベルト・モリゾ〉

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

〈温室にて〉

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

〈散歩〉

引用：https://ja.m.wikipedia.org/wiki

では最後に
本日の紹介作品でもある
「フォリー＝ベルジェールのバー」
が観れる美術展のお知らせです。

コートールド美術館展　魅惑の印象派

引用：https://www.tobikan.jp

会期：2019年9月10日～12月15日
会場：東京都美術館
開館時間：9:30～17:30（金〜20:00）
※入室は閉室の30分前まで
休館日：月　10月15日　11月5日
（ただし10月14日、11月4日は開室）
料金：一般 1600円 / 大学・専門学校生 1300円 / 高校生 800円 / 65歳以上 1000円